イラストレーターのtoi8さんの渋い父と麗しい娘の表紙、実に良いものです。
序盤は題名通り帰るに帰れない事情に忙殺される娘のアンジェリンがメインですが、アンジェリンをきっかけに父ベルグリフの昔の仲間と再会し、過去のしこりを清算すべく旅に出る、その中で拾い子のアンジェリンの出自も明らかになるとても心暖かくなる物語です。
原作が完結後にアニメ化したので全編やってくれるのかと期待したものの、13話で終わってしまってもったいない。
Blu-rayは購入したけれどなんとなく観られていない。
原作の題名が決まった経緯を知らないのだけれど、せっかく映像化するならば換骨奪胎タイトルに手を入れることも考えても良かったのではないかと。
『冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになっていた』と「い」の一文字でだいぶ印象が変わるのと、後半タイトルが有名無実化するので押しが弱いのと、長い。
勝手に捏造するならば
『赤鬼と勇者の娘 ~冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた~』(ベルグリフはとある事情で「赤鬼のベルグリフ」という異名)
のようにサブタイトルを略しやすいタイトルだと通りが良かったのではないかな、と。
そして「勇者の~~」にはダブルミーニングを込めて。
アニメはあまり話題にならなかったのですが、コミカライズがもの凄い筆致とコミカルさで連載中。
コメディパートのデフォルメキャラが小説と挿絵とは違って和むかと思えば、敵と相対した戦闘シーンの迫力が実に良い。
はじめの方の巻は「この描き込みで作者さん命削っちゃわないか……?」と心配がもたげるものでしたが、最近少し調整して「いのちだいじに」となったので是非原作の最後まで描ききっていただきたい。
タイトルが有名無実化するのは最後もう一度旅に出て「いつになったら帰れるんだー!!」とリフレイン構造にしてくれるととても趣味。
原作では抑えめに描写されている冒険者時代のベルグリフと仲間たちがコミカライズでは多めに描かれていて、集英社の話題作なら学パロに派生しそうな良さ。ちょうど20代手前くらいの頃なので大学生編、みたいな感じ。老エルフのグラハムは学長先生だな……!(幻覚
素敵な作品なんです!